『アイメディア情報バザール』は、2006年3月17日に誕生しました。しかし、それ以前に毎月1回のべ264回という前期があります。それは、ニューメディアという言葉が最先端であった時代に大量に萌芽した“異業種交流会”のひとつでした。私が、NHK本体でのニュース取材や番組制作の業務を終えて、関連のNHK情報ネットワークに転籍し、イベント開発の傍ら『情報化メディア懇談会』を引き継いだのは第110回からですが、すでにニューメディア熱が冷めきってビジネスの苗床という役割を失っていました。

そこで、“ビジネスと文化が出会う交流会”へと方向転換することにしました。私は取材や番組制作を通して、映像における「モンタージュ効果」が人の出会いにも当てはまることを実感していましたから、毎回2人ずつの講師を“時代を先取りする人”と“伝統を守る人”でカップリングすることにしたのです。時代はすべて“変わらざるもの”と“変わっていくもの”、つまり「不易流行」で成り立っていると思うからです。そして意外な組み合わせこそが、モンタージュ効果をより高めるからです。(200回以降の案内をアーカイブしていますのでご覧ください)。 さらに、参加者一人一人が何らかの情報の持ち主であるという思いから、講義の後の懇談会(パーティー)を『情報バザール』と名づけました。同時に月刊の機関誌も国際図書番号を取得したうえで『I-Media』と改名しましたが、それはi-modeが誕生する以前のネーミングでした。しかし、それらはすべて、私がNHKの引力圏から離れるのに伴い事業自体が終幕してしまいました。

ところが、 (株)アプリックスの児玉朱実さんほか多くの会員のご尽力で、(株)デイビー・スコット(棟方幸則社長)が幹事社となり、新生I-Mediaを発足してくれました。その後、事務局は(株)プライムコミュニケーションズ(長野保子社長)を経て、2014年10月の通算335回からは「特定非営利活動法人 日本PFI・PPP協会」に引き継がれ、あらたに運営のためのエンジンルームが発足しました。講義は1コマだけになりましたが、その分、バザールは前期以上に盛り上がり、情報が息づいています。NHK時代の文化遺伝子が引き継がれたことに感動し、感謝するとともに、さらに多くの方に参加していただけることを念願しています。(加藤和郎)